寝ている姿勢は楽ですが、体の各機能の低下を招きます。まずは寝た状態から起き上がることが第一歩。最初は介助する人が手を添えて起き上がらせてあげましょう。「寝たままより、座って食べた方がおいしいですよ」とか「トイレは自分で行った方がいいですね」など、お年寄りの気持ちが向くように働きかけることも必要です。
●声を掛けて、ゆっくり静かに
急に起き上がらせると、目まいを感じたり、吐きけを催すことがあります。ゆっくり静かに起こしましょう。その際、いきなり起こさず、声をかけてから起こすようにします。起き上がった姿勢に慣れていないお年寄りの場合は、上体を起こす練習から徐々に始めます。
[ベッドの場合]
(1)寝返りをさせ、片手で腰を支えて、もう一方の手で両脚をベッドから下ろします。介助する人はお年寄りがベッドから落ちないよう、ベッド近くに立って体で支えます。
(2)片手を下になった側の肩の下に差し込んで肩甲骨をしっかり支え、一方の手は上側の肩を支えます。「1・2・3」と声を掛け、お年寄りに肘をついてもらうようにして、体を起こします。
[布団の場合]
(1)寝返りをさせ、いったん体を横にします。次に片腕をお年寄りの首の下に差し込み、一方の手を外側から肩に回します。
(2)「起きますよ」と声を掛けてゆっくり体を起こし、背もたれなどにもたれさせます。
[上体を起こす練習]
数ヵ月以上寝ていたお年寄りは、急に起こすと貧血を起こし、気分が悪くなることがあります。ベッドや布団の角度を段階的に調節し、徐々に慣らしていくといいでしょう。
(1)初めはゆるやかな角度から(約30度)
30度ほどの角度で5分ぐらいから練習します。お尻がずれないように、膝の裏に膝当てをあてがいます。
(2)徐々に頭を高くする(約45度)
起きている時間を10分、15分と長くし、頭の高さも5度ぐら椅子ずつ上げます。めまいが起きなければ、30度から45度ぐらいにすぐに上げても構いません。
(3)半座位にする(約60度)
慣れてきたら、ベッドや布団の上で半座位になるのが目標です。頭を高くすればするほどお尻がずれるので、膝当ては必ずします。