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脳を刺激し、症状を改善しよう

認知症には、早く発見して適切な治療をすれば、治るものもあります。残念ながら完治ができなくても、あきらめる必要はありません。薬物療法や心理療法によって、認知症の進行を遅らせたり、症状を改善、維持することが期待できます。

●認知症は、早期発見・早期治療が大切

認知症も多くの病気と同じように、できるだけ早く発見し、治療することが大切です。

受診の目的の一つ目は、認知症であるのかどうか、はっきりさせることです。うつ病など、認知症と紛らわしい病気の場合もあるので、適切な治療をするためにも、早くはっきりさせなければなりません。

二つ目は、認知症の原因を見つけることです。認知症にはいろいろな原因があり、なかには、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症、甲状腺機能低下症などのように、手術や治療をすれば治る認知症もあるのです。また、アルツハイマー病や脳血管障害の大多数の認知症の場合でも、症状を改善したり、進行を遅らせることができます。

いずれにせよ、よりよく暮らすには、どんな治療を受け、どんなサポートが必要なのか、今後の生活を設計していくうえで、きちんとした診断は欠かせないものです。

■早期発見のポイント

家族が認知症に気づくきっかけには、次のようなものがあります。2〜3項目以上あてはまる場合は、かかりつけ医に相談をしてみましょう。

□同じことを何度も言ったり、聞いたりする
□もの忘れがひどくなった
□時間と場所の感覚が不確かになった
□料理をしていて、たびたび鍋を焦がすなど、やり慣れた仕事ができなくなった
□身だしなみがだらしなくなった
□釣り銭の計算ができないなど、計算間違いが多くなった
□薬の飲み方を間違えるなど、薬の管理がきちんとできなくなった
□当然知っているはずの人の名前や物の名前が思い出せない
□いま食べたばかりの食事の内容を思い出せない
□慣れている場所で道に迷った
□今日が何年、何月何日がわからない
□生年月日は言えるが、年齢がわからない
□財布をとられた、と言い出す
□関心や興味があったことに、見向きもしなくなった
□複雑なドラマなどが、理解できなくなった
□ささいなことで怒りっぽくなった

●相談するなら専門医に

少しでも認知症が疑われる場合は、認知症に詳しい専門医に相談することが大切です。

専門医を探すには、いくつか方法があります。まず、かかりつけ医がいる場合は、かかりつけ医に相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらう方法があります。

また、大きな医療機関の「老年科」や、最近増えている「認知症外来」「もの忘れ外来」、あるいは「神経内科」「脳外科」「精神科」などを訪ねてみるとよいでしょう。

専門医のいる病院についての情報は、最寄りの保健所や在宅介護支援センターに問い合わせることができます。また、以下のサイトで検索することができます。

アルツハイマー型痴呆研究会会員認知症診療施設一覧

日本老年精神医学会

認知症医療機関の検索

(社)呆け老人をかかえる家族の会

●本人を医療機関に連れていくとき

認知症の初期では、もの忘れが多くなったことを自覚している場合も多くあります。本人は内心、「もし認知症だったらどうしよう」という不安を抱いているので、病院に行くことをおそれるかもれしません。反対に、症状が進んだ状態では、なぜ自分が病院にいかなければならないのか理解できないので、家族が連れていこうとしても拒否します。いずれにしても、本人を医療機関に連れていくのは、とても難しいことなのです。

本人を傷つけないように注意し、いろいろな方法を試してみましょう。自分のもの忘れに悩む人であれば、その気持ちに共感し、「心配なので、診てもらいましょう」とすすめてみると、案外うまくいくかもしれません。

認知症の症状以外に、「腰が痛い」「足が痛い」「だるい」などと体の変調を訴える場合は、それを理由に医療機関に連れていくのも方法です。体は元気という人の場合は、「健康診断のために」と誘ってみるとよいかもしれません。

それでも本人が拒む場合は、まず家族だけで専門医を訪ねることもできます。その際、本人を受診させるためのアドバイスをもらったり、往診してもらえるか聞いてみるとよいでしょう。

また、せっかく本人を医療機関まで連れ出すことができても、待ち時間や、診察・検査の時間が長いと、うまくいかない場合があります。できるだけスムーズに受診できるように、確認しておくことをおすすめします。

●診断で大切なのは問診

認知症の診断で、もっとも大切なのは問診です。問診では、いつごろからどのような症状が出てきたか、現在はどんな症状があり困っているか、などを聞いていきます。高血圧や糖尿病などの病気の有無、服用している薬があるか、なども重要な情報です。本人は覚えていないこともあるので、同居する家族などから聞くことになるでしょう。

本人に対しては、簡単な日常会話や年齢などを聞く程度です。質問攻めにして困らせたり、恥をかかせるようなことはありません。会話のやりとりで、認知症の症状がどの程度なのか、おおよそ判断できるものです。ただし、慎重を期す場合は、「長谷川式簡易知能評価スケール」という知能テストをすることもあります。

専門医ならば、問診だけでもおおよそ診断がつき、検査はそれを確認し、脳の状態を具体的に知るために行います。

脳の状態をみるための検査には、頭部のCT(X線コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴断層画像撮影)があります。脳の状態、萎縮の程度がわかり、これだけでもある程度、アルツハイマー病か、脳血管性障害による認知症か判断できます。

また、全身の状態をみるために、血液検査や尿検査、運動機能や腱反射をみる神経学的検査を行うこともあります。

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